12月20日、4回目となる「DOTSセミナー〜世界とつながる教室のつくり方」を実施しました。

今回は、これまで登壇していただいた、諏訪市立城南小学校の横内先生・周南市立富田中学校の水島先生・山口市立柚野木小学校の勝間田先生の座談会形式。

それぞれの実践から学んだこと・考えたこと・葛藤していることなどについて、解像度高く話し合う時間になりました。

本レポートでは、その内容をみなさんにお裾分け。
どんどん広がるDOTSの可能性を、体感していただけたら嬉しいです。

DOTSが伸ばす力って、なんだろう?

話題はまず、「DOTSをやっている中で気づいた、子どもたちの変化」について。

Colorbathのオンライン交流では、生徒を主役としながらも、そばで見守りながら、生徒と一緒に交流に挑戦する先生、そして、オンラインで見守るColorbathスタッフが時間を共有します。

ときに、少しひやひやするハプニングが起きたり、子どもたちならではのやりとり・発想にはっとさせられたりする瞬間も。

ふだんは各自が心の中で味わっているものですが、今回のDOTSセミナーで言語化したことで新たな気づきがありました。

それは、「DOTSは、英語の能力を伸ばすものだと思われがちだけれど、実は、コミュニケーションと向き合う機会をつくるプログラムだったんだ」ということ。

生徒同士の心のつながりが一気に場を温めてくれたり、サポートする大人がある程度のフォーマット(質問をしたら、自分自身の答えも一緒に伝えるなど)を渡すことで会話がスムーズになったり。

それでもなかなか上手く盛り上がらず、一緒に「次はどうできる?」と考えたり。

その過程で、行動の基盤となる他者とのコミュニケーションについて学び、考えるきっかけが生まれてきました。

第3回に登壇した柚野木小の勝間田先生からも、

「日常に返してこそだよね」

という言葉があり、参加者のみなさんも深く頷いていました。

本気で向き合う先生だからこそ、広げていける学び

今回のセミナーでは、先生方の率直な悩みや葛藤のシェアをきっかけに、参加された他の先生方の思考がぐんぐん広がっていく場面が多く見られました。

たとえば第2回に登壇された水島先生

放課後に有志の生徒を集めて、DOTSを実施しています。

交流の本番中、ついサポートしたくなる自分と、生徒たちの主体性に任せて見守りたい自分が葛藤する瞬間を話してくださいました。

生徒たちには、対話の相手であるマラウイの子どもたちのことも思いやって、みずから交流の時間をつくっていってもらいたい。

水島先生自身の想いに共感すると同時に、「そんな先生だからこそ、自分自身の挑戦も大切にしてほしい」という声も挙がりました。

正解のない中で真剣に挑戦する先生の姿をみることは、生徒たちにとっても日々の学校生活とはひと味違う刺激になるはず。

これからも「DOTS」は、先生方の挑戦を丸ごと応援、全力でサポートしていきます。

幅広い視野で、生徒たちと一緒にアイデアマンになる

最後に、第1回に登壇した、諏訪市立城南小学校の横内先生の「その後」が話題にあがりました。

「自分たちが載っているのがうれしい!」と、ふだんからColorbathのホームページをみていたという生徒さんたち。Colorbathの他のプロジェクトについても知ってみたいという気持ちと、横内先生の「リアルなかたちでSDGsや国際協力を教えたい」という思いが重なり、新たな取り組みが生まれました。

題材としたのは、ネパールでの「持続可能なコーヒープロジェクト」。

よく聞く「フェアトレード」ってどんなしくみ?という疑問に答えるレクチャーからはじまり、

コーヒーがどうやって作られるか知らないから、フライパンで焙煎体験をしてみよう!

学校の文化祭でコーヒーを販売しよう。ふつうのコーヒーとは違って値段が高めだから、説明できるように動画やポスターを作成しよう。

と、どんどん学びが広がっていきました。

「”DOTS“ありきで考えるのではなく、子どもたちと自分自身が一緒に考えた目的に対して、ツールとしてのDOTSをどう使えるかを考えています」
(横内先生)

教科の枠組みや当初の目的に縛られすぎず、Colorbathの持っているリソースをフル活用して学びにつなげれば、学校生活とも連携した、より良い学びづくりにつながっていきます。

城南小の取り組みは、私たちにとっても大きなターニングポイントになりました。

「非日常な体験」から、「日常に活かせる取り組み」へ

これまでのDOTSセミナーでは、けんちゃん(横内先生)、みずちゃん(水島先生)、かっちゃん(勝間田先生)の事例をそれぞれ紹介してきて、今回はじめて、3つの事例を集めて共有しました。
そのおかげで、DOTSの新たな本質を見つけることができたんです。
DOTSって、海外とつながるという意味では非日常ですよね。でも、それを日常に落とし込んでいくのも大切だという今日のお話があって。
非日常だからこそもらえる刺激と、ふだんの学校生活での学びを溶かし合っている先生方の実践をみて、DOTSの進化系が見えてきたようでとてもワクワクしました。
(Colorbathスタッフ・椎木)

<次回の「DOTSセミナー」は…>  

日本とマラウイ、ネパールの教室をつなぐWeb交流プログラム「DOTS」。
これまでは日本の先生方について紹介してきましたが、次回はマラウイ・ネパールでDOTSに取り組む先生をお招きし、交流しながらお話を聴く予定です。
日程・詳細等は近日公開予定。
「DOTSセミナー」専用ページや、ColorbathのFacebookをフォローしてお待ちください

マラウイのウォンガニ先生(後列左端)

ネパールのビマラ先生(右)