1月19日、マラウイとのオンライン交流をおこなってきた周南市立富田中学校の2年生が、「マラウイの課題を自分たちのアイデアで解決する方法」についての発表を行いました。

ユニークなアイデア、「人」に寄り添ったアイデア、視野の広さに思わず感動するアイデア…。

緊張しながらも、力強い発表をしてくれた生徒さんたちに後押され、実際にマラウイの渡航時にアイデアを実行することも決定しました!

きっかけ

今回の学習のきっかけは、椎木が昨年9月におこなった職業講話。

プロジェクトベースで国内外の様々な人とつながり、持続的な課題解決にこだわるColorbathの活動紹介とともに、マラウイに関する「ミッション」を提示させてもらいました。

富田中の生徒さんは3ヶ月間、グループ単位で「ミッション」と向き合い、アイデアを出し合い、発表の準備を進めてきたとのこと。

本来であれば、ミッションを提示していた椎木のみの参加でもよかったのですが…せっかくであれば、多くの方々に子どもたちのアイデアを見てもらいたい!と思い立ち、急遽、オンラインにて、NTTコムエンジニアリングのSDGsアクションを行っている社員の方々にもオンラインで参加していただくことに。


(NTTコムエンジニアリングの方々とは、昨年実施した「DOTSシンポジウム」をはじめ、教育・ソーシャルビジネスの両面で協働で活動を続けています。)

いよいよ発表…!

生徒たちの画面越しからも伝わってくる緊張の中、各グループの発表が行われました。そわそわ・どきどきはNTTの方々にも伝わっていましたが、みなさん温かい雰囲気で見守ります。

生徒さんたちの発表は、マラウイの「生の声」をもとに、等身大の自分たちができることを考え、かつSDGsの観点も取り入れて組み立てられている内容。素敵なアイデアがたくさんありました。

(ソーラーボイラーの魅力を食を通じて伝えようとしたアイデア)

「マラウイの人々が、ソーラーボイラーを『未知のもの』ではなく、『実際に役立つツール』として認識するためには」いう課題を設定したグループでは、「自分たちにできること」と「専門家に頼ること」を明確に役割として分けて明記しており、すぐにでも現地で実践することができそうだと感じました。

また、ソーラーボイラーを使用したレシピ案の中には、日本食×シマ(とうもろこし粉を練って作る、マラウイの主食)でつくるオムライスや、シマをお米に見立てたおはぎなど、「食べてみたい…!」といった案も多くみられました。

 マラウイをよく知るスタッフからは、「マラウイでは、豆を甘く煮る文化はないから、きっと(おはぎの)あんこを作るとびっくりするだろうね」といったコメントが。「社会問題を考える」という視点だけでは気づくことのできない、日本とマラウイの文化の違いも発見できた場面でもありました。

薪の消費量削減を考えているチームの発表では、薪を売ることで生計を立てている人が職を失う可能性があることを考慮にいれ、薪に代わる収入源を確保する案もありました。

それは、「薪」をテーマにした香水を開発し、その香水を新生アイドルグループ「MAM」(※薪、アイドル、マラウイの頭文字をとって名付けたグループ名)を発足し、SNSで発信、全世界に香水を売ることで収入を守る、というユニークなアイデア。

困っている人のことだけでなく、ソーラーボイラーが普及した先に起こる「困りごと」を想定して、その人のためにアイデアを検討する。今の社会問題の解決において、忘れてはならないとても大切な視点をテーマにしている姿に、発表を聞いている私たちも心が動かされました。

考えた先には、行動の受け皿を。

NTTコムエンジニアリングの方も、建設的に考えられたアイデアや独創性あふれるアイデアの数々に、驚くと同時に背中を押された様子でした。

一方的な視点だけでなくソーラーボイラーを普及させる過程で、職を失う可能性のある薪売りの人たちを守る視点も包括的に考えて取り組んでいる視野の広さには感動しました。

教育の重要性や、大人だけでなく子供たちにも並行してアプローチしていくなど、中学生の視点ならではのアイデアでハッとさせられました。

限られた情報の中で、マラウイのこと、そこで生活する人々のことを考え、実際にボイラーを作って使用してみたり、調査の内容まで踏み込んで考えてみたり。奇抜なアイデアや堅実なもの、様々な案がありましたが、どれも彼らなりの想いや本質がしっかりカタチとなっていました。あとは、これらの案を実践してみるのみ!というところまで整ってきているぞ、という力強さを感じることができました。

現地に直接行くことのできない生徒さんたちの代わりに、今回出た案の中から一つ、NTTコムエンジニアリングの方々と一緒にマラウイで実践してこようと思います! これからも子どもたちとの関わりしろを持ちつつ、共にひとつのプロジェクトとして融合させ、進めていきます。

続報もお楽しみに*