Colorbathが2012年から取り組む「DOTS」は、日本とネパール・マラウイの3か国をつなぐオンライン交流プログラムです。

未知なる国とのつながりを通して、生徒たちのみえる世界をひろげ、新たな一歩を踏み出すきっかけづくりをしています。

Colorbathは、カリキュラムづくりから当日の通訳、事後の振り返りまで、細やかな対話を大切にして授業実践者である先生をサポート。

また、交流の様子をホームページのレポートとして公開、出会いの数だけ異なる魅力が光るDOTSの様子を記録してきました。

一方で、2022年9月から開始した「DOTSセミナー」の企画のように、DOTSに携わる先生方のチャレンジを後押しすること、先生同士がつながることができるコミュニティづくりもおこなっています。

そこで、毎回一人の先生をお招きして、DOTSと出会ったきっかけ、ご自身のチャレンジ、考え方の変化などについて語っていただくインタビュー企画を始動しました!

教育に関わるお仕事をされている方はもちろん、「海外交流」にワクワクしている方、授業づくりを通して自分も成長できるってどういうことだろう?と気になる方にも、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。

今回お話を聴いた先生
山口県桜ケ丘高等学校(私立)・英語科教諭。
英会話学校での勤務などを経て学校教育に携わる。関心事は「異文化コミュニケーション」。授業に、オンラインによる他校との交流を取り入れている。

「DOTS」との出会い、そして気づいた「生徒の可能性」

清水先生とColorbathが最初にコラボしたのは、昨年度のこと。当時の高校2年生・「総合的な探求の時間」を担当されていた清水先生から依頼され、Colorbathからビデオレターを送ったことがきっかけでした。

そして今年、マラウイに風力発電の技術をもたらしたマラウイの少年、ウィリアム・カムクワンバのストーリーが教科書に取り入れられたことをきっかけに、本格的にオンライン交流プログラム「DOTS」を開始することになりました。

コロナ禍の中でも、生徒たちに世界を自分ごとに考えてもらう機会をつくろうと尽力されている清水先生の姿が、印象的でした。

また、清水先生は、今年の8月に周南市で実施した「DOTS」シンポジウムや、オンラインイベント「DOTSセミナー〜世界とつながる教室のつくり方〜」にも参加。

「準備しすぎない」DOTSのあり方を知っていただけたことで、清水先生自身も「とても楽な気持ちで当日に臨めた」と話されていました。

「成功体験」ってなんだろう

交流当日は、2クラス合同のおよそ50人の生徒が教室に集合。

マラウイ・カプタ小学校の生徒と交流を行いました。

事前準備を行う中、マラウイのウォンガニ先生が学校内を回って様子を見せてくれたこと、また、ホワイトボードを準備してコミュニケーションを取りやすくしてくれたことを振り返り、清水先生も

相手校の先生とは初めてお会いしたのに、すぐに打ち解けることができ、この先生と以前から友人だったかな、と感じるほどでした。人を受容することのできる大きな心を持っておられるのですね。

とおっしゃっていました。

実際の交流では、最初はお互いに緊張した様子を見せていたものの、だんだんと心が通じ合い、通訳やサポートなしで会話が往復する場面も。

代表で発言した生徒たちは、相手が言っていることに耳を傾け、よく考えて答えていました。周りの生徒は、自分たちも本当は話したかったので、前のめりで聞いていました。相手が外国の人だからと肩肘張るのではなく、自然にやり取りしている姿に、この交流をしてよかった、と思いました。

桜ケ丘高校の生徒さんは、わからない英語表現があれば先生に尋ねたり、身振りやipadの写真を活用したりしながら、マラウイの生徒の姿をまっすぐに見ながら話していました

清水先生自身が楽しみながら、肩の力を抜いて交流に取り組んでいたことが、温かな時間につながったのだと思います。

当日のレポートはこちらから

インタビューの最後には、

私たち大人は、マラウイという国が最貧国というイメージを持ちますが、交流したら、そんなことは忘れて、お互い人間同士のやり取りが交わされます。「同じ人間なんだなあ。」単純で大事なことを再確認しました。DOTSさんの取り組みで実現したオンライン交流に後押しされ、これからも、授業にオンライン交流を取り入ようと思いました。

と話してくださった清水先生。

現在進行形で、生徒と一緒に「世界のみえかたを広げている」姿。とても豊かな時間が流れていると感じました。

「非日常」を飛び出して

1回目のDOTSを実施された後、所属されている研究会のオンライン発表で、DOTSについて発表を行った清水先生。

生徒さんたちとオンライン交流に臨んだ時間を言語化され、次に繋げられていることに、私たちも大きなエネルギーをもらいました。

オンライン交流プログラムを通して、届けたいもの。それは、「非日常な経験としての海外との交流」だけではありません。ふだんの授業とは違う形で、生徒や先生方に学びの楽しさ、コミュニケーションの難しさとやりがい、面白さを届けるツールを共有していければとても嬉しいです。

▼Colorbathでは毎月、DOTSに関わる先生方と一緒に「DOTSセミナー〜世界とつながる教室のつくり方」というイベントを開催しています。

興味のある方は、ぜひご参加ください*