5月21日(金)夜、第6回「世界とつながる教室のつくり方〜DOTSセミナー〜」を開催しました。

Colorbathが2012年から取り組む「DOTS」は、日本とネパール・マラウイの3か国をつなぐオンライン交流プログラムです。

未知なる国とのつながりを通して、生徒たちのみえる世界をひろげ、新たな一歩を踏み出すきっかけづくりをしています。

Colorbathは、カリキュラムづくりから当日の通訳、事後の振り返りまで、細やかな対話を大切にして授業実践者である先生をサポート。

また、2021年からは定期的に、DOTSに取り組む先生、DOTSに関心をもつ先生をつなげる対話の場「DOTSセミナー」を開催してきました。

今回のテーマは「DOTSをする学校の裏側…!」

長年、DOTSを実践している山口県の周南市立富田中学校(以下、富田中)に関係する先生方が集まってくださいました。

中心になってDOTSを運営している水島先生(英語科教諭
水島先生と毎年度の富田中DOTS実行計画の戦略を立てる竹坂先生(教務主任)
昨年まで富田中勤務、DOTSをサポートしてくださっていた梶原先生(保健体育科教諭)
の3名から聞く、それぞれのDOTSへの関わり方と、エピソード。

昨年度の振り返りをする中から伺えるチームワークの良さに加えて、今年度のわくわくするような富田中DOTSの作戦会議の場になりました。

3つの視点からみる富中DOTS

令和4年度のDOTSは、竹坂先生が昨年の8月8日にColorbathが行ったイベント『「周南の子どもたちの未来を共に考える会」〜世界の学校とのオンライン交流を通して〜』への参加したことに、
きっかけがあったようです。

このイベントに参加し、「教育への熱さ」を感じたという竹坂先生。
その後、この勢いが無くなる前に!と、水島先生へ連絡し、
イベントのこと、「令和4年もやっぱりDOTSやりましょうよ!」という話をしたそうです。

8月8日のイベントの様子

二人で企画を固め、テーマを「冒険」と称し、放課後の時間を使う形で、実行することに。
「マラウイと交流したい!自分たちでトークテーマも含めて決めたい人、集まれ!」という募集に手を上げた生徒たち約20人が集まり、事前準備、会場のセッティング、Zoomの接続、交流の進行を生徒が主体となって行うDOTSが実現。

生徒が主体となって交流を作っていく、そんな冒険が始まったのでした。

竹坂先生は、教務主任としてDOTSを学校の予定に組み込み、水島先生がColorbathとも協議しながらDOTSを進めていきました。

富中DOTSの教員メンバーに、英語科の教員のみでなく、体育科の梶原先生がいたことも、「課外活動」という認識を、他の先生方に伝わりやすくする効果があったようです。

そして、「生徒が主体」といえども、それを実現するためのスタイルの確立には、かなりの道のりが。

「先生は側でみているから、自分たちですすめてみよう!」としてみるも、困った時には先生の顔を見上げ、気にしたり、頼ったりしてしまう生徒たち。話が途切れ、場が進まない、ちょっとした沈黙に、口も手も出したくなるのをどうにか我慢できたり、できなかったりする先生たち。
といった我慢大会があったり。

「進行は完全に自分たちでやってみよう!英語に困った時は、先生を頼っていいよ」スタイルの際も、生徒も先生も、お互いに頼ったり、思わず入ってしまったり。
やっぱりちょっともどかしそうで。

最終的に、たどりついたのは、富田中の先生たちから出た声と、Colorbath側からの提案が重なった、
「生徒は教室で交流し、先生は別室で見守る」というスタイル。

先生がその場にいないことで、生徒たちはお互いに声を掛け合って、次に誰が話すかを日本語で打ち合わせしたり、より画面越しにいる海外の生徒とのやり取りが長くなったり、といった変化が。

そして実は、富田中が「生徒主体」を貫いた影響を受けて、マラウイ側も先生のサポートなしでの交流を始めてくれたのでした。向こうの生徒も、先生が入らない方がのびのびとしており、沢山の質問と、さらによく聞く姿勢を見せてくれました。
お互いの相乗効果から、よく聞く、わからなかったら聞き返す、わかる人が日本語や現地語でフォローを入れるといった様子が。

マラウイのカプタ小との交流の様子

最終回では、生徒たちはのびのびと協力し合いながら交流を行い、先生方も楽しく別室で見守っている姿がありました。

昨年度の最後のDOTS実践の様子。中央が水島先生、手前に梶原先生。

さらに、生徒からの提案で、聴こえづらい生徒のために、Googleドキュメントを用いて、別室にいる先生が「会話の文字起こし」も行われました。

生徒、先生、Colorbathスタッフ、みんなの冒険があったからこそ、できたDOTS。

そんな話を水島先生から聞きながら、「実は一度もDOTSを実際に見たことがなくて…たまたま来客の方を案内する際に見に行ったら、教室には生徒しかおらずびっくりしました!」という竹坂先生。

梶原先生も、「DOTSがある日は、イベントがあるみたいなわくわく感を参加生徒から感じていた」
「休み時間に自主的に準備している姿が印象的だった」とおっしゃっていました。

水島先生、竹坂先生はもちろん、Colorbathスタッフも、はじめて聞くエピソードに、改めて喜びを感じる瞬間でした。

今年度のわくわく作戦会議

一通り、昨年度の話しをしたところで、話題は、今年度の話へ。

梶原先生が山口県内の他の学校に転勤したこともあり、その学校と交流するのもいいね!など話が進む中、黙々と考えながらメモをとっていた竹坂先生が、ふと顔を上げて、一言。

「生徒同士も交流をモニタリング的にみるのはどうかな…?」

みんなの目が見開き、
それは楽しそう!!!お互いの振り返りにもなる。富中の交流をお手本的に、梶原先生の学校の生徒に見せるのも良いね!同年代の活動を見れるのもいいし、同年代からの感想や、「すごいね」といったコメントほど嬉しいものはないよね。
と、今後の案が大放出。

こんな笑顔と、今年度へのわくわくで幕をおろしたDOTSセミナーでした。

セミナーを振り返って

書き手、Colorbathスタッフ小野寺は、地元宮城県からColorbathに関わり続けているため、どうしてもDOTSの実施校が多い山口県との距離を勝手に感じていました。
こんな良いチームが、いつもやり取りをしている水島先生の裏に存在していたこと、それに触れられたことにとっても喜びを感じた、今回でした。

私の地元でも、こんな交流やっていきたい。
生徒も先生も、それに関わる私も、挑戦して、良かったと笑い会えるようなことをしたい!

また、次回のDOTSセミナーで、お待ちしております。

アーカイブ配信しています!

第6回DOTSセミナーは5月5日(金)まで、アーカイブ配信を行っています。

Peatixのイベントページから、お申し込みください。